三井物産グループでも内部統制の基本が崩れ始めている

アルテからのお知らせ会計監査情報

三井物産子会社の職員が、収入印紙を転売して着服していたと報道されています。4ヶ月で960万円。過去に1億7千万円が同じ手口で金券ショップに持ち込まれたということで余罪の調査中ということです。

収入印紙は金券です。このように簡単に換金できます。ダブルチェックは基本です。おそらくですが、今回、担当者に丸投げをしていたのだと思います。

日々、購入と払い出しを記録し、第三者のチェックを受けていれば、こんな金額にはならかったでしょうし、そもそも不正を働く気も起きなかったかもしれません。

金額からして、コストの問題でダブルチェックをやめるようなものではなかったのではないでしょうか。

内部統制は費用対効果も考慮すべきです。現金や金券のチェックには万全を期すべきですが、管理にはコストがかかります。そこまでのコストを負担できない場合には、現金や金券を可能な限り減らし、万一不正が起きたときの被害額を極限まで減らす、言い換えると問題が起きて会社が損をしても諦める、ことが必要です。今回の件は、金額は相当大きく、この費用対効果という観点でもきちんと管理すべきであった可能性が高いです。

最近は見直しがされつつありますが、在庫の棚卸も期末日に実施せず、前倒しで実施することも増えました。このことにより期末に未出荷売上などが容易にされてしまいます。こんな時代だからこそ、基本に戻った対策が必要なのかもしれません。