銀行で最後の内部統制が機能したケース
アルテからのお知らせ会計監査情報銀行で預金3,000万円の着服が明らかになったと報道されています。
定期預金1億円の解約をして、うち3,000万円を着服したそうです。1億円の解約をしたということはおそらく、お客さまの印鑑はとって出金をしたのでしょう。この段階では銀行の内部統制では防げません。
その後、お客さまの口座へ入金する際に、3,000万円を抜いたのか、現金で1億円渡したのであれば、その過程で3,000万円を抜いたのでしょうか。そのプロセスはわかりませんが、たくさんの書類に判子をいただく際にまとめてお客さんに判子を押させたのかもしれません。
ここでは銀行ではスルーしてしまいましたが、内部統制の一部である、特にキャッシュを扱う業種は同じ人間に継続して仕事をさせるのではなく、定期的に交代させる、担当中も必ず強制的に休暇をとらせ、その期間中は、他の担当者に業務を担当させるという手法がこの銀行でも実施され、そこで発見されたということでしょう。
後任者が前任の仕事を書類上で確認し、お客さまに確認したところ、そんなことはないはず、ということになったのでしょう。おそらく3,000万円を着服されたことも気付いていなかったかもしれません。
後日ではありますが、発見されたのは遅れたが、担当者を定期的に交代させるという最後の内部統制が機能した実例としてご紹介させていただきます。
横領容疑:預金3000万円着服、福岡中銀部長代理を逮捕 – 毎日新聞 https://t.co/xTePfhMsGG
— 大原 達朗 Tatsuaki Ohara (@ohhara_cpa) 2017年11月13日