スルガ銀行が決算修正。これが正しい監査と決算短信の普通のカタチです。

アルテからのお知らせ会計監査情報

かぼちゃの馬車、スマートデイズ問題の渦中にあるスルガ銀行が、決算を修正し、純利益が1/3になったと報道されています。決算発表は、決算短信の公表によって行われますが、2018年3月期のスルガ銀行の決算短信は、5/15に公表され、6/6に修正されています。

あらためて上場企業は45日ルールが適用されています。決算日後、45日以内に決算発表をしなければならないとするルールです。スルガ銀行もそれにしたがって、5/15にやっと決算発表をしたのでしょう。当然、この時点では監査法人による監査は終わっていません。決算短信にもその旨、明記してあります。

通常の場合、この時点でできるだけ監査は終わらせておき、あとで修正がないように、内々で合意をとっているので、決算発表後に修正されることが異例なだけです。

今回は、とんでもない事件に関与し、しかも融資の回収可能性に多いに疑義があったわけですから、監査を続け、当然に追加の引当、決算修正となったのでしょう。有価証券報告書の監査報告書日付は、6月末まで期限があるので、まだまだ余裕がありますが、株主総会の招集通知に添付される計算書類もそろそろ発送しないといけない時期です。異例対応ということで、差し替えは可能かもしれませんが、バタバタの対応になるでしょう。招集通知が間に合わない場合には、総会当日に差し替えということもありえます。

スルガ銀行は異例といえば、異例ですが、決算発表から監査報告書発行まで時間がある期末の監査は、決算発表が修正されることは制度的には普通にありうることをあらためて知っておいていただいてもよいのではないでしょうか。