監査基準の改訂と欠けていること
アルテからのお知らせ会計監査情報監査基準の改訂が進んでいます。
論点の1つは、これまで短文式監査報告といわれるように、紋切り型の監査報告しか発行しない監査人に対し、「監査上の主要な検討事項」を明確に開示することを求めています。これは監査の透明性の確保、また監査人が何をしているのかを少しでも開示するために歓迎すべき変更です。
そのうえで、もう1つ欠けている大切な要素があります。
「見積もり」の前提の開示です。例えば、のれんの減損です。当初買収した際の事業計画と現在の進捗、そして今後の修正事業計画を取締役会の責任であることを明記して開示すべきです。繰延税金資産の回収可能性なども同様です。
事業計画はまさに経営判断そのものであり、将来の見込みです。その責任を負えるのは会社であり、取締役会です。そのベースに会計処理と監査があることを忘れてはいけません。
監査基準では範疇外ですので、定めることはできませんが、監査の透明性と、特に見積もりの監査のベースとなっている事業計画などの開示、明示はあわせて検討されるべきものだとずっと以前から考えています。
金融庁「監査基準の改訂に関する意見書」を公表 – https://t.co/FjxUA2swL0 #GoogleAlerts
— 大原 達朗 Tatsuaki Ohara (@ohhara_cpa) 2018年7月11日