監査法人へローテーション制導入の是非

アルテからのお知らせ会計監査の実態会計監査情報

金融庁が監査法人にローテーション制導入を検討していると報道されています。すでに欧州では導入されています。経済界ではコスト増になる、四大監査法人に集中しているから、ローテーションはやりたくないと否定的な意見が出されています。

私も自由競争を妨げるような案には反対です。しかし、実際にはこの記事にもあるように大手に監査業務が集中し、自由競争とは言い難い状況が続いています。新規上場は、準大手までの監査法人でないと審査が通らない、などとよく言われるのは、自由競争が事実上ないことを示しているでしょう。

通常の視点では、単に規制強化、自由競争を阻害するように見えるこの規制強化ですが、冷静に考えると硬直化したこの業界をいったんぶっ壊すためにも必要な施策であると感じます。したがって、私はローテーション制導入に激しく賛成します。

ローテーションがうまく機能したあとは、大手寡占の状況も変化をするはずですし、当監査法人が以前から主張しているように、専門の業種や業界、あるいは成熟企業、ベンチャーなどを得意とする専門店のような監査法人が誕生するはずです。それこそが顧客目線へこの業界が変わっていくための大きな一歩になるはずです。