4.上場したい企業と金融庁の規制

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 それで、先ほど申し上げたように、人は結構たくさんいますので、1年目から5年目のめちゃくちゃ作業や経験を積まなければいけない時期にできないのです。仕事は午前9時から午後5時の仕事なのですから。私は午前9時から翌々日の午後5時とかで仕事をしていましたから、彼らの3倍か4倍ぐらい働いた時期がありました。だから、同じ5年間やっていたとしても、経験量が全然違うのです。当時は、まだまだ上場したいという会社もたくさんありましたから、大手の法定監査を終わったあとに、上場引受会社の会社さんへ向かって、そこで上場準備の作業と、あとはその監査をしなければいけませんから。ということと、私は外資にいましたので、12月決算になると、外資の日本法人の監査というのを1月2日や3日ぐらいから出掛けていってということが、普通だったのです。私が特別ということではなくて。極めて経験値が、全体像として見ると、薄くなってきているということです。また、これはあとでもお話ししようと思いますけれども、そういう人の変化です。

 もう一つの変化は、金融庁の規制です。金融庁の規制が非常に厳しくなっています。金融庁の規制が非常に厳しくなっている商売としては、一つは監査法人、一つは金融機関。両方とも対お客という意味でいうと、よろしくないです。すみません。金融機関の方がいらっしゃったら申し訳ないです。先ほど名刺交換させていただいた中ではいらっしゃらないと思うのですけれども、ダメです。あの人たちも、ふざけているわけではないのですけれども、厳しいのです。とにかく、もうはしの上げ下げまで言われることが分かってしまっているから、あまり余計なことしないほうがいいと、こういう体制になってしまっているのです。では、社内の仕事はどうなったのかというと、大変なのです。要は必ずチェックしに来ますから。毎年、監査の監査を受けていますから。銀行は銀行の仕事の監査を受けていますから、非常に大変なのです。