【関連基準】
企業会計基準公開草案第35号 「包括利益の表示に関する会計基準(案)」
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/exposure_draft/houkatu/houkatu2.pdf
【適用開始時期】
平成22年4月1日以後開始する事業年度の年度末に係る財務諸表から適用。
ただし当該事業年度の期首から適用可能。
また平成22年6月30日以後に終了する事業年度の年度末に係る財務諸表から適用可能。
【基準の要旨】
財務諸表における包括利益およびその他の包括利益の表示について定める。
【包括利益の開示方法】
(1)当期純利益を計算する損益計算書と、包括利益を計算する包括利益計算書とで表示する形式(2計算書方式)
(2)当期純利益の計算と、包括利益の計算を一つの計算書(「損益及び包括利益計算書」)で表示する形式(1計算書方式)
開示のイメージは、企業会計基準公開草案第35号 「包括利益の表示に関する会計基準(案」の設例に記載している。
【その他の包括利益の内容及び開示方法】
個別財務諸表:その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、
連結財務諸表:上記に加え、為替換算調整勘定等、持分相当額持分法を適用する被投資会社の
その他の包括利益に対する投資会社の持分相当額
(注1)その他の包括利益の内訳項目は、原則として税効果を控除した後の金額で表示し、
各内訳項目別の税効果の金額を注記する。
(注2)その他の包括利益の組替調整額(その他有価証券の売却があった場合など)は、
その他の包括利益の内訳項目ごとに注記する。
(注3)その他の包括利益の税効果および組替調整額に関する注記は、
個別財務諸表および四半期財務諸表においては、省略することができる。
(注4)本会計基準の適用初年度においては、その直前の年度における包括利益及び
その他の包括利益の内訳項目の金額を注記する。
(注5)四半期財務諸表に本会計基準を最初に適用する年度においては、
前年度の対応する四半期会計期間及び期首からの累計期間について、これらの金額を注記する。
【連結財務諸表における包括利益の計算方法】
少数株主損益調整前当期純利益に、その他の包括利益(親会社株主に係る部分と少数株主に係る部分の合計)を
加減する方法による。すなわち、P/Lの当期純利益までの開示とは異なり、少数株主に帰属する損益も合算して開示する。
【実務上のポイント】
1)当期純利益に与える影響はなく、あくまでも開示上の改正にすぎないことに留意する。
2)追加開示項目だけでなく、注記事項についての理解も必要である。
【会計処理の基本】
企業会計基準公開草案第35号 「包括利益の表示に関する会計基準(案」の設例